ゲーミングPCの各パーツの役割と重要度を解説|初心者向け

ゲーミングPCが欲しいとき、販売しているPCのスペックを見ても正直良くわかりませんよね。特にPC自体に関して精通していない人にとって、ゲーミングPCのスペック(パーツ)は無駄に英語が多い上に、何を見て決めればいいのかよくわかりません。

ここでは、そんな方が賢くゲーミングPCを選んでいただけるように、各パーツがゲームにどんな影響を与えているのか、その役割を説明していきます。

PCを構成している主なパーツ

まずPCを構成している主なパーツは以下のとおりです。

  • CPU / プロセッサ
  • CPUクーラー(ほとんどのCPUに1つ付属)
  • マザーボード
  • RAM / メモリ
  • GPU(またはグラフィックが統合されたCPU)
  • ストレージドライブ(HDDまたはSSD、あるいはその両方)
  • 電源
  • ケース
  • OS(Windowsなど)
  • 周辺機器(モニター、マウス、キーボード、オーディオ)

これ以外にもパソコンにはたくさんの周辺機器が存在しますが、まずゲームをプレイするために必要なものは上記のとおりです。それぞれの役割を説明していきます。ある程度知識があるパーツについては読み飛ばしてきましょう。

CPU / プロセッサ(重要度★★★)

プロセッサとも呼ばれるCPU (中央処理装置)は、PCの中にあるかなり小さな正方形のパーツです。ゲームのすべての数学的計算を担当します。例えばFPSシューティングゲームにおいて、銃で撃った弾がどのような軌道を描き、何秒後に着弾するのか、着弾地点はどこなのか、またリコイルの画面揺れなどを計算します。複雑でリアルなゲームほどこのような計算処理が多く、かつ瞬時に計算結果を反映する必要があるため高度なCPUが求められます。

ゲームのパフォーマンスに対する重要性は、このあと説明するGPU/グラフィックカードに次いで2番目に重要と言っていいでしょう。購入を検討しているPCのCPUがどれほどの性能かを比較したい場合は以下のリンクのブログを参考にするとよく分かるでしょう。ベンチマークが高いものほど高性能なものとなります。

CPUクーラー(重要度★)

HSF(Heatsink and Fan)とも呼ばれます。これは発熱が大きいCPUの上に配置され、CPUを涼しく静かに保つために存在します。ほとんどのCPUにはすでにクーラーが同梱されているため、追加でクーラーを購入する必要がありません。しかし、ハイエンドのゲーミングPCを購入するときは、より高性能なクーラーを検討する必要があります。

最新のゲームを高画質で楽しむ際にはCPUをオーバークロックする場合があります。オーバークロックについてここでは詳しく触れませんが、分かりやすく言うと車や自動車のギアを上げるイメージです。オーバークロックするとCPUは処理能力が上がる反面、発熱が大きくなってしまいます。純正のCPUクーラーはオーバークロック用に設計されていないため、最新のゲームを遊ぶ際には独自のCPUクーラーを購入することが重要です。ただし、初めてゲーミングPCを購入する際には独自のCPUクーラーは気にしなくていいでしょう。オーバークロックやCPUクーラーについてはやや知識が必要なため、純正のものを使って問題ありません。

マザーボード(重要度★★)

マザーボードとはすべてのパーツをつなぎ合わせるための大きな基盤です。マザーボードの種類がゲームのパフォーマンスに直接影響することはありません。しかしマザーボードに備わっている端子の種類には流行り廃りがあります。身近な例としてUSB-typeBからUSB-typeCへ端子が変わってきた事が挙げられるでしょう。そのように最新のCPUやGPUなどのパーツを付けるためには最新のマザーボードが必要になってくるのです。
自作PCの場合はパーツとの適合性をよく確認する必要があり少し知識がいります。また今後の拡張性を求めるなら出来るだけ最新のものがいいでしょう。しかし完成品のPCを選ぶ場合は、特に考える必要はありません。

RAM /メモリ(重要度★★★)

RAM(ランダムアクセスメモリ)は、マザーボードに挿入する(通常は)平で細長いものです。これは一時的な記憶装置として使われます。

ゲームに置いては操作しているキャラクターの状態や、周りのNPCなど状態を記憶する際に使われたりします。オンラインゲームだと様々なプレーヤーが動いている関係でメモリの重要性は高く、容量が大きいメモリが求められることが多いのが特徴です。

一般的に言えば、メモリに搭載されているRAM(容量)が多いほど、プログラムやゲームの動作速度は速くなりますが、ある一定の容量以上からは速度は早くならず、逆にコストが無駄になってしまいます。ゲームの場合も同様に、RAMを増やしすぎてもパフォーマンスが著しく向上しない事が多く、2021年現在、8GB~16GBあれば十分動作するゲームがほとんどです。

GPU / グラフィックスカード(重要度★★★★)

GPU(ビデオカード、グラフィックカード、グラボとも呼ばれる)は、3Dのグラフィックスを計算してモニターに映す役割があります。端的に言えばゲームの画質に関わるのです。

GPUの性能が高いと、ゲームがスムーズで高品質な映像になり、逆に適切なGPUがないとゲームを表示できません。

したがって、ゲームのパフォーマンスを最大限楽しみたい場合は、1番優先して予算を使うべきパーツと言えるでしょう。一般的なオフィスPCには画像処理の必要がないため独立したGPUがついていない(CPU内臓の低い性能のものを使用している)場合が多いです。普通のPCとゲーミングPCの一番大きな違いはこのGPUの性能差と言っても過言ではないでしょう。

HDD、SSD(重要度★★)

HDD、SSDはデータを長期的に保存するためのパーツです。

最も一般的なのはHDD(ハードディスクドライブ)です。HDDは比較的安価で大容量なのが特徴です。また次によく使われるのはSSD(ソリッドステートドライブ)です。SSDはHDDに比べて読み込み速度が早い反面やや高価です。

ゲーミングPCには、少なくともOSとゲームを保存するための何らかのストレージが必要です。OS、特にWindows10では約20GBの容量が必要で、PCゲーム1つにつき最低50GB前後が必要でしょう。ゲームは複数保存しておきたいですし、最近のゲームはどんどん容量が大きくなっています。長期的に考えるなら少なくとも500GB~1TBの容量はほしいところです。ただしSteamやEpic Gamesなどから都度ゲームをダウンロードしたり、GeForce NOWのようなクラウドゲームサービスを使う場合はそれほど必要ありません。

電源ユニット(重要度★★)

PSUとも呼ばれる電源ユニットは、PCをコンセントにつなげるためのパーツです。このパーツの種類によってはPC内で使える消費電力が変わってきます。これまで解説したCPUやGPU、メモリなどのすべてのパーツには電力が必要で、高性能なパーツものほど高い電力が必要なことが多いです。
特に自作PCを考えている方は気をつけておかないと組み立てたあとで電力が足りずにPCが起動できないという自体に陥ってしまいます。電力ユニットを決めてその最大の電力に収まるようパーツを選ぶか、他のパーツを決めて消費電力にある電力ユニットを最後に選ぶかをするようにしましょう。

一方で完成品のPCは予め消費電力を考えて電力ユニットを決められているため、購入する際に気にする必要はありません。

ケース(重要度★)

次にPCケースです。PCケースの違いは見た目だけではありません。端子の位置や拡張性、冷却ファンの位置や気流の流れやすさといったものが挙げられます。

特にゲームをしているときにはCPUやGPUが熱を持ちやすく、その冷却方法は注意が必要です。ハイスペックなパーツを付ければつけるほど発熱量も大きくなりがちですので、自作でゲーミングPCを作る際には外観以外にも気を向けるようにしましょう。

完成品PCの場合は気にするのはやはり見た目です。シンプルなモノカラーのボックスタイプもケース、カラフルなケースや中が見えるクリアなケース、また形にもこだわったおしゃれなケースやLEDを光らせたスタイリッシュなケースまで多種多様なケースが存在します。ゲームをする際には周りの環境一つでモチベーションは大きく変わります。自分にあった素敵なケースに入ったPCをぜひ探してみましょう。

OS(重要度★★★)

PCには必ずOSが必要になります。MacやLinuxなどいくつか選択肢はありますが、ゲーミングPCが欲しいならWindows 10の一択です。なによりWindowsは対応しているPCゲームの数が他のOSに比べて圧倒的に多いです。最新のゲームも基本的にWindowsを前提に開発されます。よほど「Macにしか対応していないゲームがしたい」などのこだわりがない限り、WindowsのOSを選ぶようにしましょう。

まとめ

初めてのゲーミングPC選びならまず見るのは「GPU」。次に「CPU」と「メモリ」、一応OSを「Windows」であることを確認するようにしましょう。あとはそれぞれどの性能を選ぶかは人それぞれです。予算の中で自分にあったゲーミングPCを見つけてみましょう。

PCのパーツは非常に複雑そうに見えて、実はそうではありません。1つ1つの役割をよく理解し、優先順位を決めておけばゲーミングPCも賢く選ぶことができますよ。