<初心者向け>握り方で変わるゲーミングマウスの選び方

PCゲームをプレイするだけならゲーミングマウスは必要ありません。2つのボタンとホイールを備えたマウスとキーボードさえあれば、殆どのゲームをプレイすることができます。しかし、ゲーミングマウスにはプレイがしやすくなる工夫や機能、モチベーションが上がるデザイン性を備えているのです。

ゲーミングマウスを使うことですぐにプロレベルの実力になるわけではありませんが、プレイ効率を上げ、ゲームの勝敗に少なからずいい影響を与えます。今回はそんなゲーミングマウスの選び方について初心者向けに解説していきます。

 

ゲーミングマウスと普通のマウスの違いとは?

実はゲーム用マウスは、通常のマウスとそれほど大きな見た目の違いはありません。一部のゲーミングマウスにはたくさんのボタンが付いていますが、見た目は普通のマウスと変わらない最低限のボタンだけのゲーミングマウスもいくつも存在します。

しかし、一般的に価値のあるゲーミングマウスは、少なくとも次の2つの特性を持っています。それは「より高速で正確な動きができる高度なセンサー」と、「好みやゲームの種類に合わせて変えられるカスタマイズ性」です。

 

センサーの違い

ゲーミングマウスに備わっている高性能なセンサーによって、マウスの動きをPC本体に伝える情報量が多くなります。それによりマウスのわずかな動きにも反応し、特にゲームで照準を合わせるような繊細な動きで有利に働くのです。

また素早く動かすときに、少しだけマウスが接地面から浮いてしまい、思わぬところにカーソルが動いてしまうことがありますね。このようなときにも無駄なカーソルの移動を防いでくれる機能があり、高い正確性でゲームが出来ます。

 

カスタマイズ性の違い

ゲーミングマウスのカスタマイズには様々な種類があります。

まず、ボタンのカスタマイズです。クリックしたときの動作を変えたり、複数のコマンドを1クリックにまとめたりするものです。多くのものはメーカーの付属ソフトを使用してカスタマイズできます。

次にマウスの動きのカスタマイズです。マウスを1cm動かしたときに、どのぐらい画面内のカーソルが動くのかを示すDPIというものがあり、大抵そのDPIを1クリックで手軽に調整出来ます。それにより、例えばスナイパーライフル使用時など、シーンに合わせてマウスとカーソル(照準)の動き方をコントロールできるのです。

マウスのDPIとはなにか?

最後に重さのカスタマイズです。あまり多くはありませんが、ウェイトと呼ばれるオモリをマウスに付けられるゲーミングマウスがあります。自分の筋力にあった重さだったり、マウスの左右でバランスを変えた重さだったりと、自分の好みやゲームに合わせてカスタマイズができるのです。

 

他にもゲーミングマウスにはボタンスイッチの性能(高感度・高耐久など)であったり、ワイヤレスマウスの遅延が少なかったりと普通のマウスとの機能的な違いがいくつかあります。しかし初心者の方がゲーミングマウスを選ぶときには少なくとも上記の2つの特性を抑えておけば問題ないでしょう。

 

マウスのデザインは『握り方』で選ぶ

ゲーミングマウスを選ぶ際にデザインを気にしたい方は多いのではないでしょうか。ゲーミング環境が自分好みに整えばモチベーションが上がり、よりポジティブにゲームに向かうことができるようになるものです。

しかしゲーミングマウスを選ぶときには、単純な見た目だけで判断するとかえってプレイに不利になってしまうことがあります。なぜならマウスのデザインとあなたのマウスの握り方はとても密接に関係しているからです。

通常、グリップスタイル(握り方)は大きく3つに分けることができます。それぞれに長所や短所があり、適したゲームのジャンルが存在します。

 

パームグリップ

Source:https://www.howtogeek.com/

ほとんどのプレーヤーが行っている標準の握り方。指はマウスボタンに覆いかぶさるように平らに置かれ、手のひら全体でマウスを包むように握ります。

マウスがとても動かしやすく疲れにくい握り方ですが、他の握り方に比べてクリック動作が遅くなりやすいのが特徴です。マウスの移動が多いRTSやシミュレーションゲームなどに適しています。

大抵のマウスはこの握り方を前提に設計されているため、デザイン選びで大きく商品が絞られる事はありません。以降で紹介する他の握り方に適したマウスでも問題なく使えるでしょう。敢えて上げるなら、接地面が大きくなりやすいように、大きさがあり親指を置きやすいデザインのマウスにしたほうが良いでしょう。

チップグリップ

Source:https://www.howtogeek.com/

少し手を丸め、人差し指、中指、薬指の先端だけをマウスボタンに置く握り方。手のひらはマウスの本体にまったく触れず、親指でマウスの側面をつかんでマウスを移動させます。

マウスの動かしにくさや正確性のなさは感じるものの、クリックしやすい握り方で、マウスクリックに瞬発力が必要であったり、クリック頻度の多いシューティングゲームなどに適しています。

この握り方の場合、手のひらがマウスに当たらないようにコンパクトなマウスが適しています。ただしマウスの動きには親指が触れる側面のグリップが重要になりますのである程度の高さは必要です。

クローグリップ

Source:https://www.howtogeek.com/

パームグリップとチップグリップを合わせた握り方。指は角度をつけて先端だけボタンに置き、手のひらはマウスの後端にのみ置かれます。

慣れるまでは難易度が高く非常に疲れやすい握り方です。代わりに、クリック動作の速さやマウスの動かしやすさ、正確性にも対応した万能型といえます。索敵と攻撃の両方が必要な対戦型のFPSシューティングゲームなどを含む、幅広いジャンルのゲームで適しています。ただし長時間連続で行うと腱鞘炎のリスクが上がるため注意しましょう。

この握り方の場合、手のひらがマウスの後端に届くように(特に手の大きい方であれば)比較的サイズの大きい(縦に長い)マウスを選びましょう。逆に言えばコンパクトさを売りにしているデザインは避けるようにしましょう。

大事なのは握り方ではない

今回はマウスの握り方による違いを中心に解説していきましたが、握り方を無理に矯正する必要はありません。プロのゲーマーのマウスの握り方を見れば分かりますが、動かしにくいとされる握り方で、索敵やスナイピングを上手に行っている方はたくさんいます。

大事なのは自分にあった握り方をして、それに適したゲーミングマウスを使うことです。ゲームを上手くなるためには、握り方に時間を使うよりもゲームの練習に時間を使うようにしましょう。握り方に合ったゲーミングマウスを使えば、その練習効率はグッと上がりますよ。