PHPエンジニアとは?平均年収や単価相場、キャリアパス!市場需要や今後の将来性は?就職・転職を考える未経験初心者でもおすすめ?Javaとの違いは?
「PHP」とは、Linux、Apache、MySQLなどWeb開発に欠かせない言語の1つで、Webエンジニアやプログラマーの仕事では必要なスキルだと言え、PHPの名が広まるにつれて就職や転職を希望する人も増えています。
特に、現在最も多く使われるプログラミング言語はこの「PHP」と「Java」の2つであると言われており、PHPを選択したエンジニアはPHP案件が溢れていることで仕事には困らないとも言われているほどです。
現在WEBエンジニアを目指しており、「どのプログラミング言語を学ぼうか?」と思っている人や、「これから新たになにか他の言語を取得したいけどPHPってどうなんだろうか」と考えている人のために、PHPとはどんな言語でJavaとは何が違うのか、PHPがどれくらい市場から必要とされているのかや、PHPエンジニアの平均年収、単価相場、
ここではPHPエンジニアの平均年収や単価の相場、そしてPHPとJavaとの違い、どのようにキャリアを積んでいくかを見ていきます。
もくじ
そもそも「PHP」とはどんなもの?
PHPは、サーバーと連携するようなプログラミングを行う際に必要となる言語です。
主に動的なWebページ制作等に使われ、FacebookなどのSNSサイトから、動画配信サイト、人材マッチングサイト、予約受付サイト、ECサイトなどPHPでの開発は幅広く分野で使われています。
PHPはカナダ人のラスマス・ラードフという人がC言語を使って開発したもので、ホームページのアクセス履歴の解析のために開発されたことから、「パーソナル・ホームページ(PHP)」という名前がつけられました。
PHPではこれまで大規模な開発が行われるようになり、それぞれの案件ごとに適したものが登場しており、代表的なものとして、SymfonyやCodeIgniterがあげられます。
PHPは、サーバーやデータベースと連携することが得意であるため、PHPを勉強することによってその周辺の知識も自然に修得ができるのもメリットです。
例えばWebシステム開発に必要な環境を作る上で必要不可欠な「LAMP」ともセットで理解することで、Web開発がスムーズにいくなどが挙げられます。
PHPを使ったWebの開発は積極的に行われており、PHPベースのCMS「WordPress」は利用が拡大しており、WordPressを使ったポータルサイトからECサイト、ブログなど幅広いジャンルで小規模なものから大規模な開発までをPHPエンジニアが取り組んでいきます。
また、Web開発の土台となるソフトウェア「フレームワーク」がPHPは豊富にあることで、セキュリティを確保した複雑なシステムを開発できるなど、PHPを利用するメリットはとても多いです。
PHPは市場での需要はどうか?
最初にお話した通り、PHPを使うエンジニアの人口はJAVAに次いで多く、Webアプリケーション開発分野においては今後も期待される言語だと言えます。
PHP技術者認定機構によると、PHP市場動向としてはサーバー側プログラミング言語でPHPシェアは81.7%となっているそうです。
(PHP技術者認定機構PHP市場動向より)
こちらは2016年のデータですが、実際に「W3Techs」による最新のデータを見てみると、サーバーサイドのプログラミング言語で「PHP」のシェアが78.9%で最も多い結果が出ていました。(算出方法が企業ごとで一定ではないのでこれが絶対とは言えませんが)
(W3TechsWorld Wide Web Technology Surveysより)
PHPそのものは使用され始めてから20年以上経っていることで歴史が古く、例えば未経験の初心者が独学で勉強したい場合にも参考にできる書籍や学習サイトはとても多くて学びやすく、そういった部分もPHPの特徴の1つとして挙げられるでしょう。
PHPとJavaとの違いは?
PHPとJavaはよく比較されることが多いですが、それはなぜかというとこの2つは用途は似ているという点が挙げられます。
まずプログラミング言語には大きく分けるとフロントエンドとサーバサイド、バックエンドがありますが、文字など見た目に関わる部分がフロントエンド、サーバー内の処理をするのがサーバサイド、ホームページ上の環境面に関わる部分がバックエンドです。
この中で、PHPとJavaはサーバサイドのプログラミング言語として人気が特に人気が高く、同じ分野で使われていることでよく比較されるのです。
ですがそもそもPHPとJavaでは言語性質が異なるものであるため、それぞれ使用する目的によって使い分ける必要があります。
Javaはオブジェクト指向など応用力を磨くことができるので、ITには興味があるけど何から手をつけていいのか分からないといったときには、Javaの学習を始めるといいですが、習得までに時間がかかるので、じっくりと学びたい人におすすめです。
Javaはパソコン上のソフトなどを動かす汎用的なプログラミング言語であるため、例えばアプリ開発などを将来的に行いたいのであればJavaがおすすめで、ここまでお話したように企業等のWebサイト制作や、SNSやECサイトを作成する仕事がしたいのであればPHPを勉強しましょう。
PHPは動作が軽くさまざまな場所に利用できることからニーズが高いのが特徴ですが、よくあるプログラミング言語のランキングでは、PHPよりもJavaが上になっていることが多く見られます。
プログラミング初心者がまず始めるとすれば、難易度からするとPHPのほうが学びやすいと言われていますが、汎用性の高さで言うとJavaもおすすめだと言えます。
もちろん将来的にはどちらも習得するのが良いでしょうが、まずは自分がどんな仕事を受けたいのかによって選んでみてはいかがでしょうか。
JavaについてはこちらJavaエンジニアの平均年収は?未経験求人は多い?転職で年収アップするには?仕事内容と将来性へ。
PHPエンジニアに求められるスキル
PHPエンジニアとして求められるスキルは、JavaScriptやHTML、CSS、WordpressjQuery、Photoshop、IlustratorなどのWebサービス制作に用いられるスキルがあげられます。
他にもRDBMSのテーブル・インデックス設計、データベースチューニングやネットワークなどに関する知識があるとさらにいいでしょう。
つまり簡単に言うと、例えばECサイトを構築する場合、プログラミング言語の知識だけではなく、サーバーの知識やSQL言語などデータベースの知識などがなければ、
Slack、Github、Redmine、Backlogなどのツールは使用される頻度が高くなっているので、これらのスキルがあるとより仕事の幅が広がっていきます。
PHPエンジニアとして活動する場合には、特定の開発環境だけでしか通じないスキルを身につけるよりも、さまざまな環境で対応できるために希望する現場や案件に合わせてスキルを身につけておく必要があります。
むやみにすべてのスキルを学ぼうとするのではなく、それぞれの特性を把握して身につけていけば、どういった場面でも柔軟に対応できるPHPエンジニアとなることができます。
また仕事を進めるにあたっては、多くの人とやりとりを重ねていく必要もあるため、ある程度のコミュニケーションスキルも求められます。
急なトラブルの発生にも、慌ててしまわないだけの問題解決能力を備えておくことも大切です。
PHPエンジニアの平均年収や単価の相場
Find jobによると、PHPプログラマー・エンジニア平均年収は、このようになっていました。
(Find jobPHPプログラマー・エンジニアの平均年収・給料・給与より)
経験や勤続年数、勤務先によって異なるものの、PHPだから極端に年収が低いといったことはなく、年収についてはWebデザイナー系かシステム開発系かでも違いがあり、実務経験がない場合だと、年収は約300~400万円といった感じになるようです。
さらに、こちらは2017年のデータとなりますが、求人検索エンジンスタンバイのプログラミング言語別の平均収入の調査によると、1位:Scala(626万円)2位:Python(601万円)3位:Kotlin(577万円)となり、PHPは10位で522万円という結果が出ていました。
(株式会社ビズリーチプログラミング言語別 平均年収より)
C++やC#などは分析対象外となっており、さらには今から2年前のデータではありますが、他言語と比較するとPHPはやや低い結果となっています。
この原因として考えられるのは、PHPは需要が高い分案件数も多く、それに比例してPHPエンジニアの数も多くなり、さらには初心者でも学びやすいということが挙げられると思います。
付加価値という視点で見ると年収について気になってしまうかもしれませんが、逆に言い換えればPHPの市場は途切れることはなく、PHP案件は豊富にあることで仕事量について困ることはありません。
さらには、例えばPHPから初めて付加価値の高い言語へとキャリアアップするのも良い道ですし、そのほかPHPの実務経験があればPythonのエンジニアへとキャリアアップできる可能性もあります。
PHPだけではなく複数の言語に対応できる上級エンジニアになると、年収では約700~1,000万円を目指すことも可能です。
また金額単価で見ていくと、月に約140~180時間の工数で約40~100万円とわりと金額に開きがあります。
例えば一人前のPHPエンジニアだと月60~80万円程度といったところになり、契約期間の長さによっても、金額に増減があることを理解しておきましょう。
通常は3カ月ごとの更新となりますが、1~2カ月の短めの開発期間だと高めに設定されており、逆に半年間などの長期にわたるものは継続性がある分だけ単価は低くなります。
スキルや経験によっても異なりますが、クライアントが求めるスキルと合致すれば高い報酬が見込めます。
PHPエンジニアの今後の求人ニーズはどう?
PHPエンジニアの求人はJavaの求人と並んで特に多いと言えます。
先程もお話したように、PHPを使用した「WordPress」は世界的に見てもWebサイトの約3分の1が使われており、これだけで見てもPHPは使用頻度が高いと言えます。
またWordPressより軽く拡張性のあるCakePHPなども、アプリ開発のフレームワークとして需要が継続しているため、この分野でも求人が増加しています。
RubyやJavaScriptの人気が高まっているものの、高品質で汎用性の高いPHPはこれからも必要とされるプログラミング言語であるため、自ずとPHPエンジニアの求人も増加していく傾向にあるのです。
求人分野について見てみると、日本のエンジニア求人市場においてPHPの求人数はとても多く、INDEED求人情報集計によるとPHPはJavaに次いで2番目の求人数の多さとなっていました。
(PHP技術者認定機構PHP市場動向より)
データとしては上記のものは今から3年ほど前のデータとなるので、少し古いものではありますが、これと比較して2017年、2018年のプログラミング言語別の新規求人案件割合ランキングが、レバテックキャリアで掲載されていたものがこちらです。
(レバテックキャリアプログラミング言語別求人ランキング【2019年6月発表】より)
さらに、2019年現在最新ランキングがこちら。
(レバテックキャリアプログラミング言語別求人ランキング【2019年6月発表】より)
ということは、2016年から2019年現在までを通して見ても、Java同様、PHPはWebエンジニアの就職や転職において必要な技術の1つであり続けており、安定して求人数は高いままだということがわかります。
もちろんこれはレバテックキャリアの求人数をもとにされたデータなので、求人業界全体で見たものではありませんが、とは言えそれほど大差はないと言えるでしょう。
企業が社内エンジニアを増やそうという動きも見られるので、転職希望者には追い風が吹いている状況だといえるでしょう。
フリーランスへの業務委託も増えているので、裏を返せばそれだけ企業にとってもPHPエンジニアの採用に難航している様子がうかがえます。
希望する転職先が求めるスキルをきちんと把握して転職活動に臨めば、自分に合った仕事先を見つけやすい環境にあるのです。
PHPエンジニアのキャリアパス
PHPエンジニアのキャリアパスとしてまずあげられるのが、「LAMPの開発経験」です。
利用デバイスがスマートフォンに移ってきている流れにおいては、アプリケーションの需要が見込めるため、PHPエンジニアにとっては大きな武器となります。
単価をあげたいのであれば、フロントエンドやプラットフォームまで理解し、最新技術を常に身につけていく姿勢が求められるでしょう。
プロダクトやポートフォリオを提出できるようにきちんと準備をしておき、プロジェクトの募集の時にはすばやく行動していくことを心がければ、より優良な案件を獲得していくことができます。
PHPエンジニアとしてキャリアを積む流れは3つに分けられます。
- 1つ目は「PHPスペシャリスト」として活躍することです。
PHPのスペシャリストとして、PHPのことなら何でも対応できる状態を作っておくことです。
- 2つ目の「プロジェクトマネージャー」として、キャリアの形成を図るのもひとつの方法です。
開発から運用、評価までの一連の流れを担う役割であり、エンジニアをサポートする立場でもあります。
- そして3つ目は、PHP以外の言語にも精通した「マルチエンジニア」を目指す方向もあります。
多種の言語を扱えるようになれば、流行り廃りに左右されることなく安定的に働くことが可能です。
ただ複数のプログラミング言語を学ぶ際には習得までに時間を要してしまうので、腰を据えて取り組んでいく必要があり、すべての言語が中途半端といったリスクを、どう排除するかが成功の鍵となるでしょう。
転職を考える際には、自分が思い描くキャリアパスに合った行動を取ることが重要です。
PHPエンジニアに求められるスキルを知り、給与や待遇の面で納得のいく転職先を探してみてください。
求人は多くあるので、将来のキャリアパスと照らし合わせてマッチする就職先を選んでみましょう!