クリトリス包茎とは

クリトリスの外側には包皮と呼ばれる皮があり、この皮がクリトリス全体を覆っている状態をクリトリス包茎と呼びます。

クリトリスが包皮に覆われていると、体内に分泌物や汚れが溜まりやすくなり、臭いや衛生面の問題が発生することがあります。

また、性交時の痛みや不感症の原因にもなり、治療を希望される方も多くいらっしゃいます。

クリトリス包茎は、その程度によって仮性と真性に分けられます。

仮性は手で包皮を引っ張るとクリトリスが露出する状態、真性は手で皮をむいてもクリトリスが露出しない状態です。

男性器では一般的に「包茎」は亀頭の一部でも隠れている状態を指しますが、クリトリス包茎の場合は常にほとんどが覆われている状態です。

小陰唇肥大が原因でクリトリス包茎になることがある。

クリトリス包茎の直接の原因は包皮の大きさですが、包皮と小陰唇は繋がっており、小陰唇が大きくなると包皮も大きくなる傾向があるため、小陰唇が肥大している方はクリトリス包茎であることも少なくありません。

小陰唇が肛門寄りに肥大している場合は影響が少ないですが、小陰唇がクリトリスに向かって肥大している場合は併発しやすく、手術をする場合は同時にケアすることが多いです。

クリトリス包茎が原因で起こるトラブルや症状について

クリトリス包茎は病気ではないので直接大きな問題にはなりませんが、臭いが気になることはよくあることです。

クリトリス包茎は複雑な構造で清潔に保つのが難しいのですが、クリトリス包茎の場合、包皮の内側に恥垢という垢のようなものが溜まりやすく、そこに細菌が繁殖して臭いの原因となることがあるのです。

これを放置しておくと、固まってクリトリスと包皮の癒着を起こし、仮性包茎の人でも真性包茎に近い状態になってしまうこともあります。

自分が介護となったとき、クリトリス包茎を解消して、介護しやすくしたいと考える人が増えています。

 

また、クリトリスが包皮に覆われているため、感覚が鈍くなり性生活に影響を及ぼす不感症もよくある問題です。

余分な包皮を取り除き、クリトリス包皮をなくすことで、これらの問題を解決することができます。

クリトリス包茎の手術内容

クリトリス包茎の手術は、包皮を切除し、クリトリスの3分の1から2分の1を露出させることで行われます。

 

1.包皮切除のデザイン

包皮をどの程度切除するかは、症例を参考に決定します。

必要であれば、包皮だけでなく小陰唇も縮小することがあります。

クリトリス全体を露出させることも可能ですが、ほとんどの場合、包皮が自然に露出するようなデザインになっています。

 

2.麻酔と包皮の切除

麻酔が効いていることを確認した後、あらかじめ決められたデザインに沿って包皮を切除していきます。

クリトリス自体に傷をつけないよう、慎重に包皮を切除していきます。

 

3.切除部の縫合

切除した部分を丁寧に縫合し、傷口を閉じて手術終了です。

婦人科形成外科では、傷跡が目立たないように切開位置のデザインを工夫したり、縫合方法やダーマボンドの使用方法を工夫して、より美しく、傷跡が残らないような縫合を行っています。

 

縫合糸は主に溶ける糸を使用しているため、抜糸の必要がなく、傷跡もほとんど目立ちません。

 

クリトリス包茎に関するよくある質問

クリトリス包茎の治療法はどのようなものですか?

包皮に覆われているクリトリスを、包皮を切除して露出させる手術です。(この手術により、性交時の感度が向上します)。

 

手術時間はどのくらいですか?

30分~60分です。

 

腫れや痛みはありますか?

2~3日をピークに、1週間程度で落ち着きます。(個人差はありますが、1~2ヶ月間感覚が鈍くなることがありますが、必ず自然に戻ります)

 

月経中でも手術はできますか?

膣内の手術ではないので基本的には可能ですが、小陰唇縮小と一緒に手術を受ける場合は、出血の止まり具合が確認できないため、生理中の手術はご遠慮ください。(クリトリス包茎のみの場合も、なるべく生理中の手術は避けた方がよいでしょう)。

 

入院や通院は必要ですか?

入院の必要はありません。日帰りで手術が可能です。縫合には溶ける糸を使用しますので、抜糸などの通院の必要はありません。

 

仕事は普段通りできますか?

手術は特に体に負担をかけるものではありませんので、翌日からお仕事が可能です。ただし、水仕事をされている方(スイミングスクールの先生など)は、1週間ほどお休みをいただくことがあります。

 

日常生活は通常通りできますか?

手術の翌日からシャワーを浴びることができますが、入浴は1週間程度経ってから可能です。激しい運動や手術部位に負担のかかる自転車・バイクの運転は1~2週間程度は控えてください。

 

すぐに性行為はできますか?

傷口が十分に乾くまでは、性交渉はお控えください。医師の判断により、最低でも1週間から10日間、場合によっては1ヶ月間、性交渉を控えていただくこともあります。