性病とは、性行為(セックス)によって感染する病気の事です。
近年、若い人たち、特に女性の間で性感染症にかかる人が増えているそうです。
性交渉の経験があっても、「私は大丈夫」「自分には関係ない」と誤解しないようにしましょう。
性感染症(STD)そのものは、エイズを除けば命にかかわることはほとんどありませんが、性感染症は不妊症やがんの原因になることがあります。
自分が性感染症かもしれないと思う人はもちろん、そうでない人も、性感染症について見ていきましょう。
性病のセルフチェック
下半身がいつもと違うと感じたら、どう違うのかをよく観察してみましょう。
その違いがその病気かもしれないと、ある程度予測できるかもしれません。
キチンと検査をしないと詳細は分かりませんが、ある程度の目安や心構えは出来ると思います。
彼氏がいる人は、普段と違うことがないか聞いてみましょう(そんなこと聞きにくいと思いますが、二人のためです)。
もし本当に性症であれば、彼氏も感染している可能性が大きいと考えてよさそうです。
そうであれば、彼氏も一緒に治療する必要があります。そうでないと、病気をうつしたりうつされたりを繰り返すピンポン感染を繰り返すことになるので、要注意です。
セルフチェック項目1
□ 黄色から緑がかったおりものが増えた
□ 白色のぽろぽろした、カッテージチーズ状のおりものがある □ 褐色で泡立ち、悪臭を伴うおりものがある □ 外陰部がただれている □ 外陰部に痛みや痒みを感じることがある □ 性交時に痛み(性交痛)を感じることがある □ 排尿時に痛みを感じることがある |
セルフチェック項目2
□ 外陰部に激しい痒みを感じる
□ 外陰部に水疱が出来ている □ 外陰部がただれている □ 排尿や歩行が困難になるほどの外陰部の激しい痛み □ 外陰部に硬いしこりのようなものがある □ 外陰部に白いイボのようなものが出来ている |
セルフチェック項目3
□ 黄色のおりものが増えた。但し、痛みは無い |
気を付けたい性病について
性病には、色々な種類がありますが、気づかずに相手に感染させてしまう事もあります。
しかも、感染するのは性器だけではなく、口や目などからも感染することがあります。
性病は自然治癒するわけではないので、気づいたらすぐに治療を行いましょう。
ここでは、はじめての人が感染してしうことが多い性病を紹介していきます。
性器クラミジア
性器クラミジア感染症の特徴と症状
女性の性器クラミジア感染症は、性感染症(STD)の中で、最も感染者数の多い病気です。
クラミジア・トラコマティスという微生物が性器クラミジア感染症の原因で、オーラルセックスにより、咽頭炎や扁桃炎など喉への感染が目立つようになってきました。
性器クラミジア感染症は自覚症状が現れにくく、知らない間に病気が進行していることがあります。
妊娠中の女性が性器クラミジア感染症になると、流産や早産の原因になったり、分娩時に胎児に感染することもあるので、妊娠中の女性は特に注意が必要です。
性器クラミジア感染症の症状・治療法
女性が性器クラミジア感染症になった場合、自覚症状が殆ど無いことが多く、自覚症状があっても、おりものが少し増えたり、下腹部に軽い痛みがある程度で、耐え難い苦痛をもたらすものではありません。
しかし、症状が進むと、下腹部が激しく痛んだり、性交痛が出ることもあります。
男性の場合は、尿から白っぽい膿が出たり、排尿痛があったり、尿道のかゆみや不快感などの自覚症状が出る場合があります。
性器クラミジア感染症は、オーラルセックスをすることで喉に症状が出ることがあり、喉の腫れ、痛み、発熱など、風邪に似た症状を伴う場合もあります。
性器クラミジア感染症の治療は、抗生物質の服用が一般的で、1回から数回の服用で完治する場合が殆どです。
性器クラミジア感染症の潜伏期間
1~2週間
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淋菌感染症(淋病)
淋菌感染症(淋病)の特徴と症状
淋菌感染症(淋病)は、淋菌の感染により起こる感染症です。
淋菌は感染力が強く、1回のセックスで約30%程度が感染すると言われており、性器クラミジア感染症と同時に感染していることが多い。
女性が淋菌感染症(淋病)に感染して症状が進むと子宮内膜炎、卵管炎などを引き起こし、不妊症の原因になることもあります。
また、分娩時に母体が淋菌に感染していると新生児に感染して結膜炎を起こすことがあるので注意が必要です。
淋菌感染症(淋病)の症状・治療法
女性が淋菌感染症(淋病)に感染すると、初期のうちはおりものが増える程度で症状も比較的軽いが、症状が進むと発熱したり、下腹部が痛むことがあります。
また、オーラルセックスにより咽頭炎を起こしたり、アナルセックスによって肛門直腸炎を起こすこともあります。
男性の場合は、性器クラミジア感染症の時と症状が似ており、尿からの白っぽい膿、排尿痛、尿道のかゆみや不快感などの自覚症状が出る場合があります。
淋菌感染症(淋病)の治療は、注射や内服薬を用いて行うことになりますが、淋菌は薬剤耐性を持ちやすいので、医師の指示通りに治療を行わなければなりません。
淋菌感染症(淋病)の潜伏期間
2日~2週間前後
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性器ヘルペス
性器ヘルペスの特徴
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスに感染することで発症する性行為感染症(STD)です。
単純ヘルペスウイルスには型があって、その型によって口腔や口唇に症状が現れたり、性器に症状が現れたりします。
分娩時に母体が単純ヘルペスウイルスに感染していると母子感染が起こり、新生児に後遺症を残す場合があるなど重大な影響を及ぼすので、妊娠している女性は特に注意が必要です。
また、体内の単純ヘルペスウイルスを完全に駆除することは困難なので、体の抵抗力が落ちた時に再発するケースが多くなっています。
性器ヘルペスの症状・治療法
単純ヘルペスウイルスに感染して潜伏期間が過ぎると、外陰部の痒み(かゆみ)や痛みを感じるようになります。
そして、小さな水疱ができはじめ、その水疱が破裂してただれた状態になると、排尿や歩行が困難になるほどの激しい痛みを伴います。
性器ヘルペスの治療方法としては、抗ウィルス剤の塗り薬や飲み薬などを用いますが、重症な場合は、点滴を行うこともあります。
性器ヘルペスの潜伏期間
3日~7日前後
性器ヘルペスを検査するには?
性器ヘルペスを検査する検査キットは見当たりません。病院でキチンと診てもらった方がいいようです。
HIV(エイズ)感染症
HIV(エイズ)感染症の特徴
エイズは、後天性免疫不全症候群と言われ、HIV(ヒト免疫不全ウィルス)の感染で発病します。
発病すると体の免疫力が働かなくなり、細菌、黴(カビ)、ウィルスなどによる感染症や神経障害、悪性腫瘍(ガン)などで死に至る場合があります。
HIV(エイズ)感染症の症状・治療法
HIV(ヒト免疫不全ウィルス)に感染して2~3週間が過ぎると、発熱や喉の腫れなどインフルエンザによく似た症状が出ます。
しかし、しばらくすると、それらの症状は収まります。これ以降、発病するまでの間は特にこれといった自覚症状はありません。
その後、HIV(エイズ)感染症が発病すると、下痢、発熱、リンパ節の腫れなどの症状が続き、更に症状が進行すると、体の免疫機能が極度に低下し、さまざまな感染症や悪性腫瘍(ガン)を多発するようになります。
残念ながら、現代の医療ではHIV(エイズ)感染症を完治させる決定的な治療方法は無く、HIV(エイズ)感染症の発病を遅らせたり、症状の進行を遅らせることがメインの治療になります。
HIV(エイズ)感染症の潜伏期間
初期症状は2~3週間
発症までは数年~10数年
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毛じらみ症
毛じらみ症の特徴
毛じらみ症は、ケジラミによる性行為感染症(STD)です。
ケジラミが陰毛に寄生し、皮膚から吸血することにより、激しい痒み(かゆみ)を伴います。
ケジラミ保有者との性行為で感染すると言われていますが、陰毛と陰毛の接触、集団での入浴でも感染する場合もあるとされています。
毛じらみ症の症状・治療法
毛じらみ症の主な症状としては、陰毛部の耐え難い程の激しい痒み(かゆみ)があります。
また、ケジラミが吸血した皮膚より出血して下着に点々とした黒いシミが付着することもあります。
毛じらみ症の主な治療方法としては、ケジラミを生息出来なくするための陰毛の剃毛、成虫を除去するための目の細かい櫛による陰毛のブラッシング、専用のパウダーや薬用シャンプーの使用などがあります。
ケジラミは次々に卵を生むので一定期間治療を続ける必要があります。
毛じらみ症の潜伏期間
1ヶ月~2ヶ月
毛じらみ症を検査するには?
毛じらみ症を検査する検査キットは見当たりません。病院でキチンと診てもらった方がいいようです。
性器カンジダ症
性器カンジダ症の特徴
性器カンジダ症は、もともと性器周辺に存在するカンジダという菌が性器に感染して生じる感染症ですが、殆どの場合、女性の膣に起きるケースが多くなっています。
性行為で感染する場合もありますが、抗生物質の服用や体調不良、過労、ストレスなどにより、膣内のバランスが崩れて菌が増殖して発症します。
性器カンジダ症の症状・治療法
性器カンジダ症の症状としては、性器周辺の強い痒み(かゆみ)、酒粕や白いカッテージチーズ状のツンとしたにおいを伴うおりもの、膣口や陰唇などの外陰部炎症などがあります。
性器カンジダ症の治療は、膣坐薬の挿入、膣洗浄などを1~2週間程度続けて行います。
性器カンジダ症の潜伏期間
3日~1週間前後
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梅毒
梅毒の特徴
梅毒は、梅毒トレポネーマによって感染・発症する感染症です。
性行為やオーラルセックスで感染するだけではなく、母子感染や輸血血液を媒介とする感染もあります。
梅毒は症状の進行によって第1期から第4期に分類されます。
第1期の症状は、痛みの無いしこりなど比較的軽微ですが、第4期になると、多くの臓器に潰瘍が出来たり、脳や脊髄や神経が侵されて死に至ることもあります。
現代では、抗生物質が発達しており、第3期や第4期にまで進行して死に至ることは稀になっています。
梅毒の症状・治療法
第1期の症状は、外陰部に大豆くらいの大きさの痛みの無い硬いしこりが出来ます。
第2期になると、全身のリンパ節が腫れ、発熱、倦怠感、関節痛などの症状に加えて、梅毒特有のバラ疹と呼ばれる全身性発疹が出来ます。
第3期になると皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が出来、第4期になると多くの臓器に腫瘍が発生したり、脳、脊髄、神経が侵され、死に至ります。
梅毒の治療は、ペニシリンなどの抗生物質が使われます。早期に発見するほどに治療も早く終わるので、早期発見・早期治療が大切です。
梅毒の潜伏期間
1週間~13週間
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トリコモナス感染症
トリコモナス感染症の特徴
トリコモナス感染症は、トリコモナス膣炎とも言われ、通常は女性のみが症状を呈します。
膣トリコモナス原虫という一種の寄生虫によって引き起こされます。
トリコモナス感染症は、性行為による感染の他、下着やタオルを介しての感染、便座あるいは風呂をまたぐ際の感染、出産時に母子感染する可能性もあります。
トリコモナス感染症の症状・治療法
褐色で泡だち、悪臭を伴うおりものがトリコモナス感染症の典型的な症状で、他には外陰部の痒み(かゆみ)・痛み・灼熱感などを伴うこともあります。
トリコモナス感染症の治療は、内服薬や膣座薬を使用します。
症状がなくなっても、膣トリコモナス原虫が完全にいなくなるまで治療を続ける必要があるので、医師とよく相談をしながら治療を進めなければなりません。
トリコモナス感染症の潜伏期間
10日前後
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尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマの特徴
尖圭コンジローマは、ヒト・パピローマ・ウィルス(HPV)のある種の型のウィルス感染によって発症する性行為感染症です。
外陰部や肛門などの周辺にイボが出来る。これは良性の病変で、悪性化はありません。
尖圭コンジローマの症状・治療法
外陰部や肛門などの周辺に出来たイボは、成長が早く、短期間で次々にと新しいイボを形成して増殖していきます。
ヒト・パピローマ・ウィルス(HPV)自体に直接効くような抗ウイルス剤は今のところ無いので、尖圭コンジローマの治療は、薬剤の使用や電気メスによる切除、レーザーで焼き切るなどの方法がとられます。
イボを取ってもヒト・パピローマ・ウィルス(HPV)は残っているので、治療には根気が必要です。
尖圭コンジローマの潜伏期間
1ヶ月~8ヶ月
尖圭コンジローマを検査するには?
尖圭コンジローマを検査する検査キットは見当たりません。病院でキチンと診てもらった方がいいようです。