第二新卒とはいつまで?定義と新卒や既卒との違い、企業のイメージは?求人や採用は有利なの?転職成功のコツ!
就職活動や転職活動をした経験がある人なら、一度は耳にしている『第二新卒(だいにしんそつ)』という言葉。
「そういうのって求人サイトでたまに見るけど、一体なんなの?」と、これらが具体的にどんな状態の人を表すのか、それぞれ何が違うのかハッキリわからない人がほとんどだと思います。
しかし、最近はこの「第二新卒」の人材を積極的に採用している企業も多くなり、人情報を見ていても「新卒向け」、「第二新卒向け」といって対象を区切るものもあり、自分がどれに該当するのかを知っておく方が、転職活動が有利になる可能性があります。
それとは反対に、第二新卒だからこそ転職活動で注意しなければならないことや、転職成功のためのコツなどもあり、「今の会社を辞めようかな」と思っているなら、絶対に読んでおいて損はありません。
というわけで、このページでは第二新卒、新卒、既卒などのそれぞれの定義や意味、いつまでを第二新卒と呼ぶのかという基本的な解説をはじめ、第二新卒の転職の難しさや失敗の可能性、転職成功のポイントなどについてお話していきます。
もくじ
そもそも「第二新卒」とは?
僕は学校を卒業した時は、「新卒」として就活していたなぁ。
でも、「第二新卒」ってなんなんだろう?
文字的には、2回目の新卒って感じかな?
そうね、どちらもよく聞く言葉ではあるけど、ハッキリと区別が付いていない人は多いものよ。
似たような言葉に「既卒」というものもあるわね。
いろいろお話していく前に、まずはこの「新卒」、「第二新卒」、「既卒」の3つについて、それぞれの定義を紹介するわ。
第二新卒とは、そもそもハッキリとした定義や基準はなくいろいろな解釈がされるものの、一般的には”高校や大学など学校を卒業して1年から3年未満で、転職または就職しようとしている求職者”のことを指します。
短期間でも社会に出た経験がある人のことで、新卒と社会人との中間的存在(どちらにも該当しない存在)として扱われ、年齢的にはいつまで(何歳まで)の人かというと、だいたい25歳前後の人までとなります。
大学院卒業の場合は卒業する年齢は24歳なので、そこから就職して1年から3年の間に退職して転職する時には27歳前後となっていますが、社会人経験は少ないため第二新卒として扱われる可能性が高いです。
専門学校や短大を卒業して就職したのち、例えば25歳前後で転職活動する場合は、社会人経験が5年ほどあるわけですから、第二新卒ではなく中途採用として扱われる可能性が高くなります。
新卒で入社してだいたい1年から3年で転職活動をする人かぁ。
じゃあ、僕も第二新卒ってことになるね。
ん?ということは、「1年未満」や「3年以上」で転職活動をする人は、第二新卒ではないってこと?
いい質問ね。
これについてもハッキリとした決まりがあるわけではないけれど、1年未満でも第二新卒に含まれるわ。
ただ、3年以上経っている場合は第二新卒ではなく、基本的にはある程度社会人経験を積んだ一般的な通常の転職希望者として扱われることになるの。
しかし、企業によっては”20代であれば第二新卒として採用する”というところや、留学などで他の人とは少し遅れて就職活動をスタートする人も第二新卒に含まれることもあり、その企業や求人によって第二新卒がどんな解釈がされるかはそれぞれ確認する必要がありそうです。
「新卒」とは?
次に「新卒」とは”新規卒業者”の略で、その年に高校や大学などの学校を卒業する人、または卒業見込みの人のことで、いつまで新卒扱いとなるかは具体的には”学校を卒業するまで”となります。
少し前までは、卒業してすぐに就職しないと「既卒」扱いになってしまっていましたが、最近では企業によっては卒業後3年以内の人であれば既卒ではなく新卒として扱うところもありますが、基本的には卒業後すぐに就職する人のことです。
「既卒」とは?
「既卒(既卒者)」にも明確な定義はありませんが、一般的には高校や大学など学校を卒業した後に一度も正社員として勤務したことがない人のことを指します。
第二新卒は正社員として就業経験があるのに対して、既卒は正社員の経験がない=社会人経験がないという点に大きな違いがあり、既卒のことを”就職浪人”と呼んだりすることもあります。
つまり、就職先が決まらないまま卒業した人のことで、大学や高校を卒業したものの、就職しないでアルバイトやフリーターとして働いていた場合も、この既卒に含まれます。
僕は学校を卒業したあと正社員として働いていないまま派遣になったから、僕は既卒ってことだね。
既卒についてはこちら「既卒者」とは?第二新卒との違いは?既卒の就活の成功の秘訣のページへ。
求人に対しては、新卒も既卒も学校卒業後3年以内なら新卒、第二新卒、既卒のどの採用枠にも応募できる場合もあり、このあたりは企業の基準によって異なります。
これら3つに関して、法律的な定義は存在しないため、いくつまでを第二新卒として扱うか、どんなパターンを既卒として扱うかなど、年齢や社会人経験数の捉え方や求人の採用枠、募集内容に関してはその企業ごとでそれぞれ異なるということです。
希望する企業があるならば、その企業が第二新卒、新卒、既卒をどう区別しているかをしっかりと確認した方が良さそうですね。
新卒枠に第二新卒として応募が可能かなどは、企業が出している求人の募集要項に書かれていることが多いのでそこを確認するか、応募前に企業に直接問い合わせてみましょう。
第二新卒の退職理由・転職理由で多いのはどんなこと?
第二新卒の他との違いはなんとなくわかったよ。
でも、第二新卒として転職活動するってそんなに多いものなの?
第二新卒として転職活動する人は、大学卒業者の全体のうち30%の人が、最初に入社した会社を3年以内に退職しているの。
厚生労働省によるこの統計結果が、それを裏付けているわ。
(厚生労働省新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移より引用)
黒が1年目で離職する割合、白は2年目で離職する割合、青は3年目で離職する割合を表していて、これは昨年の平成30年に公開された最新のデータとなります。
『第二新卒』という、限られた一定期間のみ、豊富な社会人経験がなくとも第二新卒枠という企業の採用枠に応募出来るという利点を上手く利用し、自分が希望する企業へ再チャレンジする人がとても増えているということがわかります。
そんな第二新卒人たちは、みんなどんな理由で新卒で入社した会社を退職しているんでしょうか?
第二新卒の人の転職理由に多いもの
●スキルアップのため
●給与や待遇、福利厚生に不満がある
●就業時間や残業、休日などに不満がある
●今の仕事にやりがいがない
●そもそもやりたい仕事ではない
●仕事、会社が自分には合っていないと感じる
●職場の人間関係が良くない
●上司や経営者を尊敬出来ない
●会社の将来性が不安
などがあります。
わかるなぁ。
僕は今の仕事は嫌いじゃないけど、もっと残業が少なくて将来的にも働きやすい会社に移りたいんだ。
みんな悩むことは同じなんだね。
そうね。
また、新卒時の自己分析が間違っていたり十分にしていなかったため、自分に向いている業界や職種が分からないまま就職先を決めてしまうという人もいるわ。
そういう状態で焦って就職すると、今の現状に大きな不満はないものの、働き始めてから自分には合わないと気付き、第二新卒として改めて転職活動をするになるわね。
例えば、自分の中ではそこまで人と関わるのが苦手じゃなかったものの、営業職として入社してからコミュニケーションが苦手だと感じてしまったり、企業研究をしっかり出来ていなかったせいで、優良企業だと思っていたら、ブラック企業だったケースもあります。
第二新卒は、みんなそれぞれが自分の仕事や人生を見つめ直せたからこそ、いろんな思いを抱えて、新たに再スタートを切ろうとしているということがわかります。
既卒に限らず、多くの人が仕事を辞めたいと思った理由についてはこちら仕事を辞めたい!転職したい!みんなの理由と本音、会社にはどう伝えた?。
企業は第二新卒をどう思っている?積極的に採用は本当なのか?
でも第二新卒ってどうなの?
ちょっと前には、新卒で入社して3年もしないうちに退職するなんて、忍耐力がないってイメージを持たれることが多かったよね?
確かにそう言われていた実は今、多くの企業が積極的に第二新卒を採用しているの。
つまり、売り手市場にあるという事実があります。
ちょっと前のデータになってしまいますが、マイナビが行った2016年の中途採用活動実績のある企業713社にとった中途採用状況調査では、「今後1年間の第二新卒社の採用見通し」で「積極的」と回答したのは62.2%となっており、その2年前の2012年にとったアンケートよりも約20%も上昇しており、これを見ても今後も第二新卒者に対するニーズは高まっていくと言われています。
(マイナビ転職第二新卒って一体何? 実は転職しやすい時期だった!?より)
2021年現在出ている最新の、マイナビ中途採用状況調査2020年によると、2019年と比較して中途採用の実績が「増えた」と回答したのは40.1%、「減った」と回答したのは17.7%となっていますが、現在も人材が不足していると回答した企業は64.7%という結果も出ており、中途採用率が増えているものの、人材はまだ不足傾向にあることがわかります。
(マイナビ今後1年間(2021年)の採用意向についてより)
実際に、2021年にマイナビ転職に掲載されていた全求人のうち、約84%が”第二新卒歓迎”となっているそうで、それだけ第二新卒が応募に有利ということではないでしょうか。
なぜ企業が積極的に第二新卒を採用したり、採用枠に第二新卒枠を設けたりしているのかと言うと、第二新卒を採用することで企業側にも多くのメリットがあるからなんです。
第二新卒を採用することは企業側にどんなメリットがあるのかというと…
- 一度社会に出ている経験から、基本的なビジネスマナーが身についている
- 仕事への対応力がすでにある
- 新卒の社会人教育に十分な時間をかけなくても済む
- 短期間で会社の戦力になる
- 第二新卒は中途採用なので、新卒採用のスケジュールと被らないので採用業務時期を分けられる
- まだ特定の企業に染まっていないため、自社の文化や社風、企業理念になじみやすい
- 若年層ならではのやる気や熱意がある
などがあります。
どの企業でも、第二新卒の場合はその人の経験よりもポテンシャルで採用を検討する企業が多く、新卒と同じようなやる気やフレッシュさを持ちながら、社会人経験が少ない分他の企業にまだ染まっておらず柔軟性があり、若さを武器に今後将来的にまだまだ能力を開花していってくれる可能性が高いと考えられています。
しかも、一定期間の社会人経験があるということは、新卒者と比べてある程度の社会人としての常識やビジネスマナー、スキルを備えているということは、第二新卒の方が新入社員教育にかけるコストも時間も削減できる点なども大きなメリットに感じる企業が多いです。
第二新卒は、まだ社会人として働いた期間は長くないため、経験豊富なベテランの転職者のように、即戦力としてすぐにひとり立ちするのは難しいものの、先輩社員の支援を受けながらでれば、すぐに現場で仕事を行えるレベルに達していると期待できます。
新卒のように長い教育期間を必要とせずに、すぐに現場で仕事をしてもらえるということは、企業にとって大きなメリットなんです。
社会に一度出ているからこそ、新卒よりも慎重になるため企業側とのミスマッチなども起きにくく、おのずとハッキリとしたビジョンを持って企業を選ぶことになるので、”他を一度見た上でうちの会社を選んできてくれている”と感じてもらえるということでしょう。
企業としては、将来的に自分の会社において管理職やリーダーなどのポジションを若手に担ってもらいたいと考えており、そういう若い人材を確保しておく必要がありますが、近年の人材不足が影響し、新卒採用の時点で十分に若手人材を確保出来ておらず、第二新卒に頼らざるをえないというケースもあると思います。
このようなメリットから、企業は新卒枠などのほかに第二新卒の採用枠を設けていたり、積極的に第二新卒を採用しようとする理由がわかりますね。
第二新卒の転職は有利?第二新卒のメリット!
結局のところ、僕たち第二新卒にとって転職は有利なの?
どんなメリットがあるんだろう?
そこはやっぱり気になるわよね。
実は第二新卒を積極的に採用する企業が最近かなり増えてきていて、たくさんの人が転職に成功しているのも事実なのよ。
第二新卒の人が転職をするメリットを考えてみましょう。
先程お話したのは、企業側が第二新卒を採用するメリットでしたが、もちろんみなさん第二新卒の求職者視点で見ても、第二新卒の転職にはメリットがあります。
例えば、新卒の時には大本命であった企業からは内定はもらえず、本命企業を断念することになってしまい、第二希望以下の企業にとりあえず就職したという人も少なくないはずです。
そういった場合、今になってもともと本命だった企業が第二新卒を募集していたり、新しく求人をかけていたりする場合、次は自分の今の社会人としての経験を活かしつつ、本命企業へ再チャレンジすることも可能です。
新卒の時点ではたくさんの応募者・ライバルたちに埋もれてしまっていたのが、今回は第二新卒として新たに応募出来ることになります。
また、第二新卒に対してポジティブな印象を持っている企業も多く、ここまでお話したように企業側にも採用のメリットは大きいことから、今なら自分が関わったことがない別分野、異業種、異職種の未経験の仕事にも挑戦しやすいことも大きなメリットとなります。
年齢を重ねれば重ねるほど未経験分野へ新たに1からチャレンジするのは難しくなるので、第二新卒の今だからこそ可能なキャリアチェンジだと言えます。
また、どんな分野にも挑戦しやすいという立場から、今よりも年収をアップさせたり、今より待遇や福利厚生の良い会社への転職も成功しやすくなります。
やはり本来なら転職をする時にある程度の年齢だと、年収をアップさせたりするにはある程度のキャリアや年齢相応のスキルや経験を持ち合わせていることが求められますが、第二新卒の場合はその人のやる気や若いポテンシャル、人柄、将来性を重視して採用される面があるため、こうした転職成功が実現しやすいのです。
第二新卒の転職のデメリット、弱点とは?
第二新卒の転職には、もちろんデメリットもあります。
やはりそれは社会人経験がまだ浅い段階で転職活動をしていることから、「うちに入社しても、またすぐに辞めてしまうのでは?」と企業側に思われてしまいがちな点です。
どうしても、「忍耐力がないのでは?」とか「長続きしないのか?」というマイナスイメージを採用担当者に持たれてしまうことがあります。
また、一度は社会に出たわけですから、当然ながら企業からはある程度の社会人としてのビジネスマナーやスキルが最低限備わっているものとして見られることになります。
言葉遣いや立ち振る舞い、仕事への姿勢など、社会で働く最低限の基礎は出来ているものとして受け取られますが、もちろん「第二新卒」として募集している以上、社会に長く出ている転職者ほどの経験値は求められませんので、そこまで心配する必要はないと思います。
ただ、第二新卒である以上は新卒よりも出来ていて当たり前だと判断されるので、新卒の人よりも出来ていない場合は厳しい評価がくだされてしまうことになるでしょう。
第二新卒だからこそのメリットもデメリットもあることがわかったよ。
でも、こんなふうにデメリットがいろいろあると、第二新卒の転職は難しそうだなぁ。
あなたの転職は私に任せなさい♪
第二新卒の転職にはもちろんデメリットもあるけれど、対策をすることで克服できるわ。
他の立場の転職志望者との違いや、第二新卒が企業に求められているものを理解して、しっかり準備をしておきましょう!
第二新卒の転職活動の成功のコツとポイント!
第二新卒の採用の流れは、基本的には中途採用と同じで、書類選考ののち一次面接、二次面接、最後に最終面接という流れとなっていますが、企業によっては新卒採用同様に小論文の提出があったり、ペーパーテストを実施するところもあります。
また、転職するからには、自分の希望に近い転職を成功させたいですよね。
第二新卒の転職活動でオススメなタイミングはいつがあるのかというと、例えば「2~3月」などは人事異動で欠員の補充の求人が出やすく、この時期に入社することで新卒で入社した同期と同じタイミングで新入社員研修などを受けることも可能で、オススメです。
そのほか、「9~10月」にかけても下半期が始まる時期であり人員確保のための中途採用や、組織変更などによる補充が行われやすい時期であり、求人も多く出ています。
ただこれらは目安であり、基本的には自分の希望に近い企業や条件の求人が出ていれば、時期に関係なく随時応募し、チャンスを逃さないようにすることが大切です。
転職の時期についてはこちらのページ転職に有利な時期やタイミングは?何月がオススメ?ボーナスや資格取得、求人数、企業の積極採用も関係する?年代別のポイントも!でもお話しています。
ではここから、転職成功のためのコツやポイントについてです。
(1)熱意ややる気をアピール
第二新卒という立場だからこそ、他の転職者よりも若さと熱意、やる気、ポテンシャルをアピールしましょう。
え、そんなことが重要なの? ほんとかなぁ…。
こんなに基本的なことが大切なの?と疑問に思う人も多いと思いますが、実は企業が「第二新卒の採用において重視した基準」として、次のような結果が出ています。
(マイナビ「マイナビ転職 中途採用状況調査」より引用)
この結果から、第二新卒を採用する時に企業が最も重視しているのは「入社意欲の高さ」が1位、次に「一緒に働ける人材か」が2位、その後「社内と合いそうな人材か」が3位となっており、入社意欲の高さややる気は第二新卒の転職において高く評価されるポイントであることがわかります。
例えば履歴書や職務経歴書にも、「社会人経験が浅くあまりアピール出来ることがない」と思い、空欄を作ってしまったり無理に自分を上辺だけでとりつくろって書いたり、嘘の内容を書くのは良くありません。
社会人経験が浅いことは企業側もわかって採用するわけなので、無理に自分を過剰評価して書くより、自分が自信のある部分を主に取り上げて、あとは自分がどれだけその会社に入社したいという気持ちが強いのか、入社意欲の高さややる気、「この会社で働きたいんです!」という熱意をアピールするほうが、採用担当者にいい印象を与えます。
しっかりと自己分析した上で、自分が前の会社で何を学び、何が身につき、どんな将来のビジョンを持って次の会社でどう活かしたいのかを伝えられるといいですね。
自分のやりたい仕事がみつかっている人も、まずは今の会社に不満があってとにかく今の仕事を辞めたい人も、次の転職で失敗しないためにも、自己分析はしっかりと行う必要があります。
自己分析を行うことで自分の得意なことや苦手なことがわかるだけではなく、自分の強みや弱みにも気付けたり、本当に自分がやりたい仕事はなんなのかなども分析できるので、おすすめです。
自己分析についてはこちらのページ転職のための強みを発見!「自己分析」や「キャリアの棚卸し」とは?おすすめのやり方・手順は?診断ツールや無料シート、本の紹介も!へ。
また、前職ではどんなことに責任感を持って取り組んでいたかなどのエピソードなども採用担当者に伝えられれば、「仕事にはしっかりと責任を持って取り組んでいたんだな」と思わせることが出来ますし、こうした社会人経験を語ることで新卒との差別化も図ることができます。
(2)前職の退職理由、転職理由
第二新卒の転職のデメリットでもお話したように、企業側は「またすぐに辞めてしまうのではないか?」、「長続きしないのでは?」ということを気にしています。
それはもちろんそう心配されてしまうのは仕方がないことですよね。
企業の採用担当者は、あなたについて「どんな人なのか?」を見極めようと、面接でもさまざまな質問がされます。
そのなかでも、第二新卒の場合特に気をつけなければならないのが”前職の退職理由”です。
前の会社をなぜ転職したか?については、第二新卒に限らず言えることですが、やはりネガティブなものよりも前向きな理由のほうがいいですね。
例えば、本当の理由が「前の会社は残業が多くて嫌になった」とか、「給料が安くて不満があった」、「上司が嫌な人で…」などのマイナスな理由でも、そのまま正直に回答してしまうのはよくありません。
基本的に、誰かのせいにしたり、人や会社の悪口になるようなことを退職の理由として答える人は、良い印象を持ってもらえないのは当然のことです。
そういうネガティブな発言は、「うちの会社に入社しても、何か気に入らないことがあったら同じように辞めるんだろう」と思われてしまいます。
退職理由を答えるときには、本音と建前をうまく使い分けて、ネガティブなものはポジティブな理由に変換して答えるようにするのがポイントです。
ただ、場合によっては素直に自分のダメだった点を認めて正直に話すというのもオススメ。
「新卒の時には自己分析が足りないまま、就職先を決めてしまいました。社会に出て改めて自己分析し、自分が本当にやりたいことは何なのか考えることが出来た」など、入社意欲に繋がる回答ならば誠意を持って話す方が好印象に取られることもあります。
自分なりに考えた問題点をしっかりと理解し、同じ失敗を繰り返さないように改善に努力しようとする姿勢なら、積極的にアピールしていくほうがいいということですね。
前職の退職も、自己分析した結果から将来の目標に対する前向きな転職であれば、必ずプラスに作用してくれるはずです。
第二新卒の転職の失敗例、失敗パターン
第二新卒の人で転職をしようと思っている人は、「どういうことで第二新卒の転職が失敗するのか?」という失敗例や失敗パターンも気になるところではないでしょうか?
どんなことで失敗してしまうのかを頭に入れておくことで、失敗は未然に防ぐことができます。
そこで、第二新卒に起きやすい失敗例についてもお話しておきます。
失敗例(1)転職先が決まっていないまますぐに退職する
第二新卒でよく見られる失敗例としては、例えば「転職するなら早いほうがいいなら、なるべく早く会社を辞めておこう!」と、次の転職先が決まっていない段階で会社を退職してしまい、無職の状態で転職活動を開始するパターンです。
第二新卒は採用したがる企業が多いとは言えど、転職先がいつ決まるかわからない状態だと、無収入の期間が続くことになりますし、履歴書上でも仕事をしていない空白の期間ができてしまいます。
早いほうがいいからとすぐに前職を退職するのではなく、しっかりと自己分析をして”本当に転職するべきかどうか”をしっかり考えることも大切です。
応募先企業にとっても、次の転職先も決まっていない状態で退職してしまうのは、「計画性がない人」という印象を持たれてしまいます。
そういった場合、内定がもらえにくかったり採用には繋がりにくくなったりもするので、注意しましょう。
失敗例(2)キャリアプランを立てていないままなんとなく転職する
例えば、「とにかく今の会社、仕事が嫌」だからと退職し、「どこでもいいから、とりあえず何か仕事をしなきゃ…」と、あまり深く考えないまま転職してしまうと、また次の仕事でも同じような問題が起きる可能性があります。
やはり誰もが最初は自分が思っている仕事とは違ったり、想像している仕事とは違ったということは起こりうることです。
一度社会に出たこそ、自分のやりたいことややりたくないことにも気付けたはずです。
まずは今の仕事において、なぜ転職したいのか、どんなことが嫌なのか、どうすればその問題を解決できるのかをしっかり考えた上で、本当に自分がやりたい仕事とは何なのか?を自己分析しなければなりません。
何度も転職を繰り返さないためにも、自分の今や将来のことをよく考えて転職をしてください。
そうすることで、同じような失敗は繰り返さないで、次こそは本当に自分がやりたい仕事に就けるのではないでしょうか。
第二新卒の転職はメリットもデメリットもありますが、第二新卒ならではの利点を活かし、前向きに行動することが、今度の自分の人生を分けることになるでしょう。
第二新卒が応募出来る求人の選択肢はとても広いです。
第二新卒は何か特別なスキルや経験などを積んでいなくとも、未経験分野への異業種、異職種転職に挑戦したり、新卒のときには断念した企業にも改めてチャレンジしやすいのではないでしょうか?
いずれにせよ、将来の目標を見据えたプラスの転職になるよう、がんばってください!